Vuze XR用に3DプリントサービスDMM.makeでケースを作ってみた、その1

2019年7月8日

先日Insta360 EVO用にケースを作ってみましたが、今回はVuze XR用に作った物が届きましたので試してみます。

前回(Insta360 EVO用)の試作ケース

以前試作してみたInsta360 EVO用のケースについては、下記の記事に記載しています。ご参考までに。

ケース作りの目的

前回使用したDMM.makeの3Dプリントサービスを使います。今回の目的は下記の通りとしました。

  1. Snoppa Atomでキッチリとつかめるケースとする
  2. シャッターボタンにアクセスできる
  3. USBカバーを開けているときに、固定できる構造を入れる
  4. USB・microSDカードにアクセスできる
  5. 1/4″ネジ穴を活用できる

Insta360 EVO用ケースのように、レンズ保護用の構造は付けていません。と言うのも、ジンバルで固定する部分と、レンズ部がかなり離れているので、別ブロックとしてた方が良さそうと判断したからです。

Snoppa Atomは、下記の記事で書いたスマートフォン用電動ジンバルです。ご参考までに。

ケースのイメージとしては、下記の記事で書いています固定治具です。これの使い勝手を向上できればと目論んでいます。

使ったサービス

前回も使用した、DMM.makeというサイトです。

自分で作った3Dモデルから物を作ってくれるサービスがあります。

出来上がってきた物

普通に完成形のモデルを作り、見積もりを出したところ、約1万円と非常に高価な物になってしまいました。

と言うことで、2つのパーツに分けて作りました。

組み立て

出来上がってきた物は下の写真の物です。

2点でつながっているので、ニッパーで切ります。

二つに分かれました。

これをズズズッとくっつけてあげると完成です。この構造で25gと軽量です。

形上は、下記の記事で書いたものと似たような物が出来ました。

Vuze XRを固定してみる

すっぽりと綺麗に入りました。

もちろん、1/4″ネジも使えますので、キッチリ固定できます。

USBのフタもかけれるように・・・と受け口を作ったつもりでしたが、全然固定できません。やり直しです。

Snoppa Atomに固定してみる

前回はM10のボルトを使いましたが、もう少し軽くしたいと思い、M8でバランスを取ってみました。

一応各重量は、

  • Vuze XR:213g
  • ケース:25g
  • 重り(ネジ):32g

合計:270gです。前回のアクリルの試作よりも18g軽くなりました。

また、Vuze XRのロール方向が固定されました。ケースがスマートフォン用アームに対してちゃんと垂直が出ているので、ロール方向の水平出しの必要がなくなりました。

もう一点、Vuze XRのパン方向が固定しやすくなりました。ケースの下部の1/4″ネジの部分でVuze XRの四方の面と治具の面を一致させやすく、ケースとVuze XRのパン方向を容易に揃えられます。

さて、バランスは取れたのですが、上の写真の様にアーム部分がたわんでいる??

不安に思いつつ、Snoppa Atomの電源を入れてみました。

やはり不具合がありました。気づいた点は2点です。

不具合1、干渉

USB部のフタ固定用の部分がSnoppa Atomのチルトのモーターと干渉することがあります。少なくとも、ケースの下部には、USB部のフタ固定用の構造は付けてはいけないようです。

不具合2、剛性不足

やはり、アーム部分と、部品と部品との間の剛性が足りません。たわみます。

原因は分かっていまして、発注したときに、材料をMJFのPA11にしてしまったからです。説明文もあまり読まずに適当に選んでしまっていました。下記にPA11について、

 PA12とその強化品であるPA12GB、非常に柔軟なPA11の3つの素材

  https://make.dmm.com/print/material/85/

と書いてあります。柔軟だから、たわむし、ねじれる。

結果、Snoppa Atomのチルトがアームと共振して、重り(M8ネジ)がビヨンビヨン揺れました。

まとめ

今回は、Vuze XR用のケースを作ってみました。が、材料選びを失敗してしまっているため、構造の検証が不十分です。

とは言え、今回の試作で良かった点としては、下記の通り。

  • 治具の重量が軽くなった。
  • Vuze XRのロール方向の調整が不要になった。
  • Vuze XRとケースのパン方向の調整が容易になった。

改善すべき点として、下記のことが分かりました。

  • 材料はコストを考えると、強度の高いPA12GBが無難と推測
  • 部品と部品との間の嵌合部分が少ないため、剛性不足
  • USBフタの固定構造の再検討

これらの点を考慮して再度設計し直してみます。

自分で考えた物が形になって出てくるというのは、面白いですね。