【実機レビュー】Lenovo Legion Y540(15):絶秒な手頃感のあるゲーミングノート【VRを試す】■Core i7-9750H /16GB /GTX1660Ti■
Lenovo様より、ゲーミングブランド「Legion」の中から、高コストパフォーマンスモデル「Legion Y540(15)」をお借りしました。
レイトレーシングは持たないものの、価格に対してフレームレートが出やすいGTX 1660 Tiを積んだこのノートPCで、どれくらいVRが楽しめるのか検証を行います。
この記事では、基本スペックを見ていきます。
Lenovo Legion Y540(15)
Legion Y540は、CPUに第9世代Intel Coreシリーズを積んだゲーミングノートです。今となっては型落ちモデルですが、その分コストパフォーマンスが上がっており、狙い目と言えるでしょう。
Legion Y540(15) | 81SX0157JP | 81SX001HJP | 81SX0157JP |
CPU | Core i7-9750H 6コア12スレッド 2.4GHz(TB 4.5GHz) | Core i5-9300H 4コア8スレッド 2.4GHz(TB 4.1GHz) | |
GPU | GeForce RTX 2060 | GeForce GTX 1660 Ti | GeForce GTX 1650 |
メモリ | 16GB | 8GB | |
チップセット | HM370 | ||
SSD | 256GB | 1TB | 512GB |
HDD | 1TB | ― | ― |
ディスプレイ | 15.6型ワイドTFTカラー液晶 1,920×1080(フルHD)/ 300Hz | ||
インターフェース | mini DisplayPort x1 HDMI x1 USB3.0(Type-A) x3 USB3.0(Type-C) x1 マイク・ヘッドホンコンボジャック x1 有線LAN | ||
ネットワーク | 無線LAN(Wi-Fi):Wi-Fi 5 Bluetooth:Bluetooth 4.2 | ||
Webカメラ | HD 720pカメラ | ||
バッテリー駆動時間 | 約6.8時間 | 約6.3時間 | |
OS | Windows 10 Home 64 bit | ||
キーボード | 日本語84キー | ||
サイズ (幅×奥行×高さ) | 2.1リットル (360 x 267 x 24.2mm) | ||
電源 | 230W | 230W | 170W |
重さ | 約2.3kg | ||
価格(税込み) | ¥271,480 | ¥197,780 | ¥181,280 |
セール価格(税込み) | \133,025 | \116,690 | \90,640 |
LEGION祭 | Eクーポン「MATSURI0115」適応で更に ¥5,500 OFF(~1/15) |
※価格・モデルは執筆時の物を記載しました。頻繁に変更されるので、必ず公式サイトでご確認ください。
GPUはRTX 2060、GTX1660Ti、GTX1650から選べます。VRを楽しむのならば、GTX1660TiかRTX2060を選びたいところです。
※現在(2021/1/7)、Lenovo直販サイトでセール中(1/15まで)です。「残りわずか」表示のモデルも多いので、検討されている方はお急ぎください。
テスト機:Legion Y540 (81SX0076JP)
今回お借りしたPCのスペックは下記の通り。このPCの性能を検証していきます。
model | Legion Y540 81SX0076JP |
---|---|
ディスプレイ | 15.6インチ FHD IPS液晶(1920x1080px、144Hz) |
CPU | Intel Core i7-9750H 6コア12スレッド・2.6GHz(TB 4.5GHz) |
GPU | NVIDIA GeForce GTX 1660 Ti 6GB GDDR6 |
メモリ | 16GB |
SSD | 1TB (NVMe/M.2) |
HDD | なし |
電源 | 230W |
OS | Windows10 Home 64bit |
このLegion Y540が搭載しているGTX 1660TiはRTX 2060と同等のフレームレートが出せるにも関わらず価格が控えめであり、高いコストパフォーマンスを誇ります。予算が許すのであれば、RTX 2060のレイトレーシングによる自然な光の表現があった方が、VRの没入感は上がります。
外観・デザイン
天板
全体的にヘアライン加工が施されています。電源が入っているとLEGIONのロゴの「O」の部分が光ります。
側面・インターフェース類
背面に集中したインターフェースは、配線が邪魔になりにくく使いやすいのですが、Legion Y540の場合、USB Type-C周りがかなり込み合っています。
Legion Y540の背面のインターフェースは、左から順に、USB Type-C、mini-DP、USB Type-A、HDMI
、有線LAN、電源ポートとなっています。背面と両サイドの後方に、ヒートシンクが配置されています。ヒートシンク部分のみを角ばらせた、安定感のあるデザインとなっています。
ディスプレイのヒンジ部分よりも後ろに2cm程度の出っ張りがあります。片手でディスプレイを開けた時の安定感は抜群ですが、その分だけ、PC本体が大きくなっています。
本体右側には、USB3.0ポートが一つだけ配置されています。
本体左側のコネクタは、USB3.0ポートが一つと、マイクイヤホンコンボジャックが配置されています。
本体前面には、インターフェースはありません。
ヒンジ部分
Legion Y540のヒンジ部分は、筐体の上部に位置しています。液晶の角度を変えても、キーボードの位置は変わりません。また、180度近く開くことが出来ます。
キーボード・タッチパッド
Legion Y540のキーボードは、下の写真のようになっています。
ファンクションキーが4つずつ、少しですがスペースが開いている点は、打ち間違えにくく好感が持てます。
一般にテンキーの上部にある「NumLock」キーが「0」の隣にあるなど、テンキー回りが特殊な配置になっています。
珍しい点としては、右側の「Crtl」の隣に、録画ボタンが割り振られている点でしょうか。
打鍵感は悪くなく、キーは見た目以上に沈みます。打鍵音はしますが、決して大きくはありません。
タッチパッドは、112 x 52mm控えめです。ミスタッチが起きにくい位置に配置されていますが、不要な時には「Fn」+「F11」でタッチパッドのON/OFFの切り替えが出来ます。
パームレストは樹脂製の滑りにくい素材で覆われています。
イルミネーション
ゲーミングPCにはイルミネーションが付いている場合がありますが、Legion Y540には付いていません。天板の「LEGION」のロゴが光るのと、キーボードの白いバックライトくらいでしょうか。
キーボードのバックライトを光らせた状態です。「Fn」+「スペース」でキーボードのバックライトのON/OFFが出来ます。
Webカメラ
Legion Y540のWebカメラはHD画質(720p)の物が、液晶の下に配置されています。
下から見上げるような配置になるので、キーボードを使用しながら、このカメラを使うにはちょっと工夫が要りそうです。
重さ
本体の重さ
本体の重さを計りました。
項目 | 重量 |
---|---|
公称値 | 約2.3kg |
実測値 | 2.196kg |
約2.2kgでした。このスペックのゲーミングPCとしては、標準的な重さです。
電源アダプタ
230WのACアダプタなので、かなりの大きさ・重さがあります。198 x 98 x 26mm、重さも761gと巨大です。
コードを入れると、およそ1kgです。
Legion Y540本体と電源ケーブルで、3kg強です。
私自身、同程度の重さのPCを持ち歩いていますが、ACアダプタは極力持ち歩きたくない大きさです。
VR性能測定結果
ここからは、Legion Y540の性能を検証していきます。専用アプリ「LENOVO VANTAGE」から、ファンのモードは「性能」に変更して検証しています。
Oculus推奨スペックとの比較
Oculus推奨GPUの下限のスペックのPCとの比較をします。
- CPU:Intel Core i5 4590
- GPU:GEFORCE GTX 1060-6GB
- メモリ:8GB
今回テストしたGeForce GTX 1660Ti搭載モデルの実測値を基に計算しています。
※Oculus推奨スペックを100とした時の、Legion Y540の性能
項目 | 説明 |
---|---|
3Dmark TimeSpy | DirectX 12対応の描画性能を示しています。 Oculus推奨のGTX1060 6GB(Desktop)を100とした場合の値です。 |
Dmark FireStrike | DirectX 12対応のVRの描画性能を示しています。Orange Roomよりもリッチなグラフィックを使用します。 Oculus推奨のGTX1060 6GB(Desktop)を100とした場合の値です。 |
Cinebench CPU | CPU全体の計算能力を示しています。 Oculus推奨のIntel Core i5 4590を100とした場合の値です。 |
Cinebench SingleCore | CPUのコア1つ分の計算能力を示しています。 Oculus推奨のIntel Core i5 4590を100とした場合の値です。 |
memory | メモリーの容量を示しています。 Oculus推奨の8GBを100とした場合の値です。 |
Oculus推奨性能に対して、十分な性能を持っています。
解像度とフレームレートの関係
解像度を変えてVRMARKを実行しました。横軸が画素数、縦軸がフレームレートです。
VRMARKで記載されているフレームレートはPCが1秒間に何枚絵を描けるか、という値です。
このPCが絵を描くフレームレートが、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)のリフレッシュレートに達しない場合は中間のフレームが補完される場合があります。頭の動きの少ないアプリであれば、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)の半分のリフレッシュレートを目指すというのも手です。
Oculus Quest系は、2020年10月のアップデートで表示が変りました。
Oculus Rift S:リフレッシュレート80Hz
- 4.9Mpx:グラフィック設定「パフォーマンスを優先」
- 5.9Mpx:グラフィック設定「品質を優先」
Oculus Quest:リフレッシュレート72Hz
- 9.4Mpx:レンダリング解像度設定「1.0x」※(4128 x 2272設定)
※レンダリング解像度の倍率の表示は、PCのスペックによって変化する場合があります。
2020年10月以前の表示
- 5.4Mpx:グラフィック設定「パフォーマンスを優先」
- 7.2Mpx:グラフィック設定「バランス」
- 9.4Mpx:グラフィック設定「品質を優先」
Oculus Quest 2:リフレッシュレート72Hz、80Hz、90Hz
- 8.7Mpx:レンダリング解像度設定「1.0x」※(4128 x 2096設定)
※レンダリング解像度の倍率の表示は、PCのスペックによって変化する場合があります。
2020年10月以前の表示
- 6.4Mpx:グラフィック設定「パフォーマンスを優先」
- 8.6Mpx:グラフィック設定「バランス」
- 1.1Mpx:グラフィック設定「品質を優先」
Oculus QuestやOculus Quest 2で使う場合には、レンダリング解像度設定は標準の「1.0」では、重たいアプリはフレーム落ちの危険性があります。レンダリング解像度を多少下げれば、快適にVRを楽しめるでしょう。解像度の高いHMDを使用する場合、性能不足を感じる可能性があります。
Legion Y540は、Oculus推奨性能以上の性能を持っています。
軽いアプリならばストレスなく使用できるでしょう。
VRスコア・コスパ
項目 | スコア |
---|---|
VRスコア 数字が高いほど高性能 | 135 |
VRコストパフォーマンス 数字が高いほどお得 | 120※ |
ノートPCとしては、十分ハイフォーマンスモデルと言える性能が出ます。
PC基本性能測定
ベンチマークアプリPCMARK10の測定結果を表示します。ゲーム以外の目的としてLegion Y540を使った場合の能力を示しています。
デスクトップPCのCPUとして現在の売れ筋CPU「INTEL CORE i5-10400」を積んだPCと比較をします。
※INTEL CORE i5-10400のベンチマーク結果を100とした時の、Legion Y540の性能
ベンチマークアプリ「PCMark10」の結果を記載しています。スコアはCPUの1コアの能力に依存しやすい傾向があります。
項目 | 説明 |
---|---|
OverAll | PC全体の性能を示しています。 |
Essentials | アプリの起動などPCの動作の処理性能を示しています。 実際にアプリの起動速度やブラウザ等を使って、処理能力を数字化しています。 |
Productivity | WordやExcelと言ったOffice系アプリの処理性能を示しています。 OpenOffice系のアプリを使って、処理能力を数字化しています。 |
Digital Content Creation | 写真・動画・3Dグラフィックスなどのクリエイティブ系アプリの処理性能を示しています。 GIMP等のクリエイティブアプリを使って、処理能力を数字化しています。 |
デスクトップPCと比べても遜色のない性能を発揮します。
現在主流のCore i5搭載デスクトップPC以上の性能を発揮できます。どんな作業をしていても、スペック不足を感じることは無いでしょう。
定番ベンチマーク結果
前述の物を含めて、定番のベンチマーク結果を並べます。VR用途としては十分な性能を持っています。
ベンチマーク | スコア |
---|---|
SteamVR Performance Test | 平均忠実度:9.3(非常に高い) テストされたフレーム:10300 |
VRMARK | Orange Room : 7450 Cyan Room: 5305 Blue Room: 1732 |
3DMARK | Time Spy: 5658 Fire Strike: 12602 |
PCMARK10 | OVERALL: 5482 Essentials: 8803 Productivity: 7205 Digital Content Creation: 7050 |
CINEBENCH R20 | CPU: 2448 Single Core: 434 |
FINAL FANTASY XV | 高品質: 6130(快適) |
FINAL FANTASY XIV | 最高品質: 13073(非常に快適) |
比較的重ための「FINAL FANTASY XV」でも高画質でプレイすることが出来ます。
ストレージ
Cドライブ
PCIe 3.0 x4対応のサムスン製高速SSD「MZVLB1T0HBLR-000L2」が搭載されています。
消費電力・騒音
参考までに、消費電力と騒音を計りました。バッテリーは100%の状態。ファンの設定は「性能」にしています。
状態 | 消費電力 | 騒音 |
---|---|---|
停止時 | 0W | 32dB |
アイドル時(Turbo設定) | 43W | 33dB |
高負荷時(3DMARK) | 184W | 54dB |
ターボ設定にしても、本体に熱がこもるまではファンが動きません。
ファンが動き出すと、そこそこ大きな音がなりますが、比較的低音であるため、気になりにくい音質です。
電力測定
騒音
PCの中央から、高さ15cm、PCの手前カツカツの位置で測定。
HMDを接続してみた
各HMDを使った場合、どれくらいのフレームレートが出るのかを調べました。
Oculus Rift S
Oculus Rift Sのリフレッシュレートは80Hzです。各アプリでどれくらいのフレームレートが出るかを測定しています。
Oculus Quest
Oculus Questのリフレッシュレートは72Hzです。各アプリでどれくらいのフレームレートが出るかを測定しています。
Oculus Quest 2
Oculus Quest 2のリフレッシュレートは72Hz、80Hz、90Hzから選べます。各アプリでどれくらいのフレームレートが出るかを測定しています。
Vive Cosmos Elite
Vive Cosmos Eliteのリフレッシュレートは90Hzです。各アプリでどれくらいのフレームレートが出るかを測定しています。
Pimax 8k Plus
Pimax 8k Plusのリフレッシュレートは72Hz、90Hz、110Hzから選べます。各アプリでどれくらいのフレームレートが出るかを測定しています。
まとめ
Lenovoのハイコストパフォーマンスモデル「Legion Y540」の性能を見てまいりました。
・背面にインターフェースが集中した使いやすいデザイン
・バランスの取れたスペックに、高いコストパフォーマンス
・約2.2kgと軽量とは言えない重量
・他社同等品と比べて、若干本体が大きめ
Legion Y540は、ディスプレイのヒンジの後方にドッキングステーションがあるかのような、特有の安定感のあるデザインとなっています。使い勝手は良い反面、体積は他社同等品と比べると大きめです。
VRを楽しめる性能を持ちつつ、持ち運べないことは無い程度の絶妙な大きさと重さを、低コストで実現しています。
型落ちモデルとなっており、更にコストパフォーマンスが上がっている今は、買い時かもしれません。
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