QooCam 8kレビュー:8k動画は覚悟が必要!?
8k画質での撮影ができるカメラQooCam 8k。撮影してみたものの、PCで扱うにはなかなか覚悟のいるファイルとなっていましたので、詳細をまとめます。
QooCam 8kとは
一般人向けに販売されているカメラで唯一の8k画質の動画が撮影できるカメラです(2019/2/7時点)
私は事前予約をして購入しました。
GoProやInsta360ブランドが出しているカメラが5.7k画質にとどまっているのに対して、このカメラは8k画質となっています。
8k画質になったことで、視力換算0.4程度の画質が得られます。詳しくは、下記の記事にまとめています。ご参考までに。
8k動画のファイル
撮影時の設定
撮影時のQooCam 8kの設定は下記の通りです。
項目 | 設定 |
---|---|
ファームウェア | U0U062 |
解像度 | 8k@30fps |
色深度 | 10bit |
ストレージ | 内臓優先 (比較としてmicroSDも撮影) |
露出 | AE ±0 |
ホワイトバランス | Auto |
ファイル時間 | 5分41秒 |
分割状態
2分毎に、ファイルが分割されています。
ファイルのフォーマットはMOV形式。
ファイルサイズは約2GB。
ざっくり、1GB/分といった計算になります。
内臓メモリーが64BGなので、microSDを使わなくても約1時間録画できる計算です。
なお、microSDでも、内臓メモリーでも、保存されるサイズは1GB/分でした。
ビットレート
上記のファイルサイズからビットレートを計算してみます。
2,110MB / 120秒 = 17.6MB/s
この単位「MB/s」は、SDカードの書き込み速度などに用いられることが多いのではないでしょうか。
SanDisk の Extreme PROで、書き込み速度が90MB/sとなっています。余裕があるかどうかはともかく、microSDでも、書き込める速度となっているようです。
次に、ビットレートに変換します。
17.6MB * 8(bit/Bate) = 141M bps
Max 200M bpsをうたっているQooCam 8kですが、平均のビットレートは、140Mbps程度です。
録画ファイルの形式
そのまま、ビデオプレーヤーで再生しようとすると、片側の魚眼の映像のみが流れます。
TMPGEnc Video Mastering Works 7で見てみると、H.265形式で、2つのストリームを持つ形式での保存となっていることが分かります。
なお、1ストリーム毎に約74Mbpsのビットレート(推定)と表示されています。ファイルサイズからの計算と一致しました。
また、この映像は、10bit設定で撮影したものですが、 TMPGEncでは、8bitと表示されています。
QooCam StudioでのRENDER
使用したQooCam Studioのバージョンは、v1.5.1.5です。
項目 | 内容 |
---|---|
QooCam Studio | v1.5.1.5 |
解像度
選べる解像度は下記の通り。
- 7680×3840
- 3840×1920
- 2880×1440
- 2160×1080
- Custom
Customで設定できる範囲は、
640~7680
だった。
フォーマット
選べるフォーマットは下記の3種類
- MP4(h.264)
- MP4(h.265)
- mov(ProRes)
なお、MP4での10bit出力には対応していません。
また、MP4出力時には、Quality(Mbps)が選択できます。
Customを選択すると、10~200Mbpsまで、選択できます。
RENDER時の負荷
8k動画をProResフォーマットで出力した時のPCの負荷を見てみる。
PCのスペック
使用したPCのスペックは下記の通り。
パーツ名 | メーカー | 品番 |
CPU | AMD | Ryzen 9 3950X |
グリス | ー | 標準CPUグリス |
メモリー | ー | 16GB 2枚 |
SSD | Intel | 660p NVME M.2 1TB |
GPU | MSI | GeForce RTX 2080 SUPER |
RENDER時の稼働率は、下記の通り。
CPU | 約40% |
GPU | 約40% |
フル稼働しているコアが4つほどあるが、CPUにもGPUにも余裕がある状態でのRENDERとなりました。多数コアのCPUをうまく使えていないようです。
また、メモリーにもディスクにも余裕がある状態です。
なお、5分41秒の動画の書き出しに、25分かかりました。
RENDER後のProResファイル
先ほどの5分41秒のファイルで、80.2GBになりました。
80,200 MB / 5分41秒 = 245 MB/s
ビットレートは、
245 MB/s * 8 (bit/bate) = 1881 Mbps
と、なかなかの巨大さ。編集するにも何をするにも、なかなか覚悟が必要なサイズです。
なお、編集後のファイルは、TMPGEncでも10bitと認識されているようです。
音声
なお、QooCam 8k本体のみでの録音の場合、音声は2ch分のデータがありますが、全く同じものが出ています。モノラルです。
マイクはカメラ上部に1つしかついていないようなので、当然といえば当然です。
外部マイクありき、と考えていいでしょう。
まとめ
QooCam 8kで取り扱う動画ファイルについて、見ていきました。
・実際の録画ビットレートは、140Mbps程度
・内臓メモリーとmicroSDで、ビットレートは変化しない
・録画は魚眼の映像をH.265、2ストリーム形式
・音声は、内臓マイクからはモノラルしか出ていない
カメラから出力されているファイル自身は140Mbpsですので、扱えないサイズではないのです。
しかし、10bit撮影した映像を使用しようとすると、ProRes方式のドデカいファイルを扱わなくてはいけないという、悩ましい仕様を何とかしてほしいところ。
H.265での10bit出力対応か、Insta360シリーズやGoProのように、Premiere Pro用プラグインがあれば、もう少し気軽に編集が楽しめそうなのですが。
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